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しっかり西部劇している「アウト・ウェスト」。ギミック中心、キートンが女装する「初舞台」。

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「ファッティとキートンのアウト・ウェスト(デブ君の出稼ぎ)」
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「デブの舞台裏(ファッティとキートンの初舞台)」

 西部開拓時代、流れ者のファッティ(ロスコー・アーバックル)は、西部に向かう列車の貯水タンクに潜入するも、乗客の食べ物をかすめ取っていたのがバレて砂漠に放っぽり出される。喉の渇きを癒すため何とか湧き水に辿り着いたのもつかの間、インディアンに追アウト・ウェスト 名手.jpgわれる身に。一方、「ラストチャンス酒場」の経営者兼保安官のキートンは、ワイルド・ビル(アル・セント・ジョン)の盗賊一味に店を襲われ、バーテンダーが撃たれてしまう。そこへ偶然インディアンから逃れてやってきたファッティが実は拳銃の名手で、盗賊一味を一人で追っ払ってしまう。ファッティは新たにバーテンダーとしてキートンの店に雇われ、店を訪れたまたま皆に虐められていた黒人を救った優しい女性スー(アリス・レイク)と恋に落ちる。その彼女に、再び店を訪れたワイルド・ビルがしつこく言い寄るため、ファッティとキートンは協力して彼を追い出す。しかし、復讐の念に駆られたワイルド・ビルによってスーは攫われてしまう―。

 ロスコー・アーバックルが監督した1918年1月20日米国公開作。結構大掛かりなロケで、しっかり"西部劇"していたなあという印象。これもあくまでもロスコー・アーバックルが主演で、最後はワイルド・ビルからヒロインを奪う返して2人してハッピーエンドとなる一方、キートンの方はワイルド・ビルの手下たちと応戦し、援護している位置づけ。それでいて、ロケのスケールに相応しいアクションの部分は、ロスコー・アーバックルも崖から転がり落ちるなどして奮闘してはいるものの、やはりキートンが担っている部分が大でしょうか。

アウト・ウェスト 酒場.jpg キートンが酒場で、トランプでアウト・ウェスト 求人.jpgいかさまをした男をあっさり撃ち殺してしまうのは、彼が保安官でもあるからでしょうか。盗賊が襲って来て、バーテンダーが撃ち殺されると、ホールドアップしたたまま新たなバーテンダーの求人を出す―ハードボイルドと冷静さを気取っているキートンが可笑しいです。ただ、黒人いじめにファッティもキートンも加担しているのはいただけません。スーが現れ、彼らを反省させる伏線ともとれますが(スーは「救世軍」の女性という設定らしい)。

アウト・ウェスト 馬.jpg アル・セント・ジョン演じるワイルド・ビルの、フアウト・ウェスト 父.jpgァッティがビール瓶で頭を何度叩いても意に介さず女性に言い寄り続ける屈強ぶりがターミネーターみたいでスゴイというよりシュールです(ただし、くすぐりに弱い)。ファッティは客の馬に酒を飲ませて酔わせるといった悪戯好きですが、馬が酔っぱらう演技はどうやって撮ったのでしょう? キートンの父親のジョー・キートンが出ているようですが、冒頭のファッティの食べ物をかすめ取られる3人の乗客の中央の人物がそれでしょうか。


デブの舞台裏 提案.jpg ファッティ(ロスコー・アーバックル)、キートン、アル・セント・ジョンら3人は、劇場の舞台係(ステージハンド)として働いていた。舞台では次の公演に向けて準備が進んでいたが、強面の出演者、怪力男の"玉葱教授"(チャールズ・A・ポスト)たちが反抗してストライキを起こし、ショーをボイコットしたため、彼らは困り果てる。そこへモリー・マローン演じる、玉葱教授にこき使われて離反した助手(兼愛人?)がやって来て、自分たちでショーをやることを提案、3人はその決意をする。ショーが始まり、まずは助手によるヒロインの美女の妖艶な踊り。続いて彼女と入れ替わったキートンも女装で登場し、蝶のような踊りや手を使わない側転など、アクロバティックな演技を披露。エンディングでのファッティと自分の助手との濃厚なラブシーンを見て怒った玉葱教授は観客席から銃を発砲。その彼をキートンがブランコを使って舞台に引き摺り下ろし、無事制圧する―(「デブの舞台裏」)。

デブの舞台裏 壁.jpg ロスコー・アーバックルが監督した1919年9月7日米国公開作。こちらは室内劇なので、ギミック中心。キートン映画の特徴のひとつに、装置の仕掛けによる笑いがあり、特に「キートンの文化生活一週間 (マイホーム)」('21年)や「キートンの蒸気船」('28年)で見せた家の壁が壊れて倒れてくるものの、キートンはちょうど窓の位置で助かるというシーンが有名ですが、それと同じ仕掛けが、スケールは小さいですが、ロスコー・アーバックルが監督したこの作品でも見られます。

デブの舞台裏 女装1.jpgデブの舞台裏 女装.jpg あとは、舞台劇で(途中でモリー・マローン演じる助手とチェンジして)ヒロインを演じるキートンの女装が見られるのが珍しいでしょうか。アーバックルの方は「ファッティとキートンのおかしな肉屋(デブ君の女装)」('17年)、「ファッティとキートンのコニー・アイランド」('17年)など他の幾つもの作品で女装していますが、キートンの方は、この作品以外では、「キートンの花婿(His Wedding Night)」('17年)で、配達員役でありながら、誤解からウェディングドレスのモデルになるシーンがあるのと、「キートンの即席百人芸」('21年)で、キートンが一人で何役も演じ分ける中に女装のキャラクターがちらっと出てくるぐらいでしょうか。

デブの舞台裏 ポスター.jpg 冒頭のファッティがショーの準備をする中で、壁の開演予告の一部だけ読んで("The Little Laundress"が"undress"に見えた)、ポルノショーと思い込んで急いでチケットを買う通行人も可笑しいです。バルコニー席に現れた彼は、作中で「不埒な目的を持った観客」として表され、王様役のアーバックルの腕の中に飛び込むところを誤ってバルコニー席に飛び込んでしまうキートンをまともに受け止めるという災難に見舞われることになります。

デブの舞台裏 大男.jpg 最後、客席から発砲する(殺人未遂じゃん)玉葱教授役のチャールズ・A・ポスト(1897-1952/55歳没)は当時まだ21歳。大柄ですが、キートンらとの絡みでしっかりアクションしているのは、若いからよく体が動くため? 身長198cmなので、「キートンの文化生活一週間」('20年)以降、後のキートン作品の大男役で常連のジョー・ロバーツ(1871-1923/52歳没)の身長191cmを上回ります。


「ファッティとキートンのアウト・ウェスト(デブ君の出稼ぎ)」●原題:OUT WEST●制作年:1917年●制作国:アメリカ●監督:ロスコー・アーバックル●製作:ジョセフ・M・シェンク●脚本:ロスコー・アーバックル/ナタリー・タルマッジ●撮影:ジョージ・ピータース●時間:25分●出演:ロスコー・アーバックル/バスター・キートン/アル・セント・ジョン/アリス・レイク/ジョー・キートン●米国公開:1918/01(評価:★★★☆)

「デブの舞台裏(ファッティとキートンの初舞台)」●原題:BACKSTAGE●制作年:1919年●制作国:アメリカ●監督:ロスコー・アーバックル●製作:ジョセフ・M・シェンク●脚本:ジャン・ハヴズ●撮影:エルギン・レスレー●時間:26分●出演:ロスコー・アーバックル/バスター・キートン/アル・セント・ジョン/モリー・マローン/チャールズ・A・ポスト●米国公開:1919/09(評価:★★★☆)

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笑うキートンが見られる「コニー・アイランド」。表情も豊かな「自動車屋」。

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「ファッティとキートンのコニー・アイランド(キートンのコニー・アイランド/デブ君の浜遊び)」
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「デブの自動車屋」
ファッティとキートンのコニー・アイランド1.jpg 謝肉祭に沸くニューヨーク。コニー・アイランドの海岸で、恐妻とのデートに退屈したファッティ(ロスコー・アーバックル)は、砂浜に埋まって隠れ、何とか妻を撒くことに成功。一方、パレード見物を終えたキートンとガール・フレンドが遊園地にやって来た。彼女に一目惚れしたファッティは横恋慕を企んで、まんまと彼女を海水浴に誘い出すことに成功する。しかしファッティに合うサイズの貸し水着がなく、太ったおばさんの水着を盗み出す始末。女装して彼女と海水浴場へ繰り出すが―(「ファッティとキートンのコニー・アイランド」)。

ファッティとキートンのコニー・アイランド2.jpg ロスコー・アーバックルが監督した1917年10月29日米国公開作。一人の女性を巡って、ロスコー・アーバックルと彼の従兄弟のアル・セント・ジョン、そして、アーバックルにスカウトされて映画界入りした軽業師バスター・キートンの3人が奪い合いをするドタバタするコメディ。自分の女装姿にまんざらでもないファッティが可愛らしいです。アーバックルがあくまで主演で、この年に映画ファッティとキートンのコニー・アイランド3.jpg界入りしたバスター・キートンはまだ助演ですが、ゴーカートでの衝突やバック転など、鍛えぬかれた肉体の演技を披露しています。

大笑いするキートン

 スクリーンで笑わないことで知られるキートンですが、そんな彼が、間抜けな若者と髭の警官の2役を演じたこの映画では、笑う場面があることが注目点でしょう。「笑わぬ喜劇王」のキャラクターがまだ出来上がっていなかったことを表しています。自身監督した「キートンの文化生活一週間」('20年)以降、キートンという俳優は演技では本当に笑わないキャラクターに徹した人で、演技Buster Keaton/This is Your Life.jpgがだけでなくプライベート写真でもインタビュー・フィルムでも無表情を貫いています(普段はよく笑うが、カメラが回ると絶対に顔を崩さないよう徹底していたという妻の証言もあるが)。1957年に英BBCの「This is Your Life」という番組に出演した際も(最初は眼鏡をかけて登場する)、若い頃の自分のそっくりさんが出てきたりしてもニコリともせず、一方で、しれっとロスコー・アーバックルにまつわる(追慕を込めた)冗談をかましており、サービス精神はなおも旺盛、その放送分は米国で「Buster Keaton/This is Your Life」('57年/米)というDVDになっています(IMDb評価 7.6(初放映時の原版テープがYouTubeにあった。DVDでは削除されているCMが入っている))。この姿勢は70歳近くなった晩年に作られた「線路工夫(The Railrodder)」('65年/カナダ)という25分ほどの小品や、その撮影の椅子を記録した「キートン・ライズ・アゲイン」('65年/カナダ)でも踏襲されています。


デブの自動車屋 0.jpg 自動車屋で働くファッティとキートン。二人のドジで、ガレージはいつもてんやわんやの大騒ぎ。ある日、ガレージのオーナーの娘モリー(モリー・マローン)にしつこく言い寄ってくる求婚者ジム(ハリー・マッコイ)が、バラの花束を抱えてやって来た。ところが花束はファッティたちのおかげで油まみれになり、受け取ったモリーの顔は真っ黒に。そのせいでモリーに嫌われてしまったジムは、復讐のためにファッティたちに犬をけしかける。犬にお尻を噛まれてズボンが脱げてしまったキートンは、警官に追われる羽目に...。一方、ひょんなことからガレージに閉じ込められてしまったジムは、二人に気付かれる前に逃げ出そうと画策しているうちに、火事を起こしてしまう。激しい火の手が上がり、モリーとジムは逃げ遅れてしまう。消防士でもあるファッティとキートンは、懸命に消火活動にあたるが、穴が開いたホースから水が漏れてしまい、なかなか鎮火できない―(「デブの自動車屋」)。

デブの自動車屋 02.jpg こちらもロスコー・アーバックルが監督した1920年1月11日米国公開作。キートンの頭がちょこんと当たっただけで自動車が発進したり、ガソリンまみれの男の横で煙草に火をつけようとしたり、下着姿を隠す為にポスターからキルト・スカートを剥ぎ取ったりと趣向は盛沢山で、キートンのアクションも全開。後の「笑わぬ喜劇王」キートンは「無表情の喜劇王」キートンでもあるわけですが、ここでは表情も豊かです。

デブの自動車屋 01.jpg 自動車修理工の話で、皆オイルで顔が真っ黒になるのはコメディの常道。キートンとファッティがコンビネーション発揮して警察にバレないように歩くシーンが面白く、キートンはポールを逆立ちしながら昇ったして、その身体能力の高さを窺わせます。

 途中から消火活動の話になって、そっか、何故そうなのかよく分からないけれど、自動車屋は消防署でもあったのかと(後の「キートンの鍛冶屋」('22年)では鍛冶屋が自動車修理屋を兼ねていたが)。消火活動にあたる面々がランチタイムになるとまだ火が燃え盛っていて、美女が助けを求めているのに引き揚げてしまうのは何に対する皮肉でしょうか。


「ファッティとキートンのコニー・アイランド(キートンのコニー・アイランド/デブ君の浜遊び)」●原題:CONEY ISLAND●制作年:1917年●制作国:アメリカ●監督・脚本:ロスコー・アーバックル●製作:ジョセフ・M・シェンク●撮影:ジョージ・ピータース●時間:24 分●出演:ロスコー・アーバックル/バスター・キートン/アリス・マン/アル・セント・ジョン●米国公開:1917/10●最初に観た場所:アートシアター新宿(84-05-27)(評価:★★★☆)●併映:「デブの自動車屋」「キートンの文化生活一週間(マイホーム)」「キートン・ライズ・アゲイン」

This Is Your Life [VHS]」「"This Is Your Life" Buster Keaton (TV Episode 1957)
This Is Your Life [VHS].jpg「Buster Keaton/This is Your Life(S5 E28)」●制作年:1957年●制作国:アメリカ●製作総指揮・司会:Buster Keaton/This is Your Life 1957.jpgラルフ・エドワード●演出:リチャード・ゴットリーブ●ゲスト出演:バスター・キートン/エディ・クライン/ドナルド・クリスプ/レッド・スケルトン/ドナルド・オコナー/エレノア・ノリス・キートン/ハリー・キートン/ルイーズ・キートン●米国放映:1957/04(評価:★★★☆)
  
  
   
 
「デブの自動車屋」●原題:THE GARAG●制作年:1920年●制作国:アメリカ●監督:ロスコー・アーバックル●製作:ジョセフ・M・シェンク●脚本:ジャン・ハヴズ●撮影:エルジン・レスリー●時間:22分●出演:ロスコー・アーバックル/バスター・キートン/モリー・マローン/ハリー・マッコイ/リューク(犬)/アリス・レイク(ノンクレジット)●米国公開:1920/01●最初に観た場所:アートシアター新宿(84-05-27)(評価:★★★☆)●併映:「キートンのコニー・アイランド(デブ君の浜遊び)」「キートンの文化生活一週間(マイホーム)」「キートン・ライズ・アゲイン」


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キートンの映画デビュー作「おかしな肉屋」。アクションのピークを感じさせる「給仕」。
ファッティとキートンののおかしな肉屋.jpg  
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「ファッティとキートンのおかしな肉屋(デブ君の女装)」

デブの給仕1918.jpgデブの給仕11.jpg
「デブの給仕」
   
ファッティとキートンののおかしな肉屋01.jpg 肉屋に勤めるファッティ(ロスコー・アーバックル)と客のキートン(バスター・キートン)。ファッティは、店主の娘アーモンダイン(アリス・レイク)と恋愛関係にある。娘が入っている寄宿学校に女装して侵入するファッティだが、恋敵のスリム(アル・セント・ジョン)も女装して侵入してきて鉢合わせ。ドタバタの末、ファッティと娘は2人で逃げ出し、結婚することになる―(「ファッティとキートンのおかしな肉屋」)。

ファッティとキートンののおかしな肉屋02.jpg ロスコー・アーバックルが監督した1917年4月23日米国公開作。アーバックルにスカウトされて1917年にニューヨークへ渡り映画界入りした軽業師バスター・キートンの映画初出演作ですが、主演はあくまでアーバックルで、キートンは、アーバックルの従兄弟のアル・セント・ジョンに次いで3番手ぐらいでしょうか。

ファッティとキートンののおかしな肉屋03.jpg 前半はお店でのドタバタでファッティの包丁捌きと肉のコントロールがなかなか凄く、勢いあるの小麦粉の投げ合いも完成度は高いです。キートンの動きもまさに現役軽業師のそれで、キレキレ。後半は寄宿学校でのドタバタで、アーバックルの女装に次いで恋敵役のアル・セント・ジョンも女装(客のキートンはなぜ彼について寄宿学校へ行った?)。思い切りの良いアクションが楽しい作品ですが、キートンは新人にして1度も撮り直し必要とせずに演じ切ったそうです。


デブの給仕12.jpg 高級なのに世界一サービスの悪いホテルで働くベル・ボーイの2人(ロスコー・アーバックル/バスター・キートン)。キートンは、同僚のファッティの恋を実らせるため、銀行強盗のフリをし、そこにファッティが駆けつけ事件を解決することで、彼女を振り向かせるというシナリオを練る。しかし、そこに本物の銀行強盗が現れて―(「デブ君の給仕」)。

 同じくロスコー・アーバックルが監督した1918年3月18日米国公開作。この作品もアーバックル主演ですが、キートンはアル・セント・ジョンを抑えて2番手の位置づけに来ていると言っていいのではないかと思います。

デブの給仕18.jpgデブの給仕13.jpg 前半は、アーバックルがベル・ボーイのほかに床屋も兼ね、客の髪や髭をいじるとその客がリンカーンになったりグラント将軍になったりという寄席芸っぽいギャグを披露。それが後半になると、相方キートン(「おかしな肉屋」の時の3番手から完全にアーバックルの相方に"昇進"している)のアクションが炸裂し、もしかしたらこの頃の彼のアクションが一番ピークだったのではないかと思わせるほどです。

デブの給仕17.jpg ホテルのエレベーターが、ボタンを押すとホテルの表の鈴が鳴り、それに合わせて馬がロープを引っ張り箱が昇降するという、まさに「1馬力エレベーター」の仕組みが可笑しいです(アル・セント・ジョンはこのエレベーター係(馬係?)に後退)。こうした後年のキートン作品の雰囲気も感じさせるメカニカルなギャグも冴えわたり、最後は銀行強盗にハイジャックされたトローリーカーが斜面を逆走してホテルのロビーに突っ込むという、「スピード」('92年/米)並みの大掛かりな仕掛けに。

 前半がコミカルなギャグで、その部分をアーバックルが主に担い、後半がアクションで、その部分はキートンが持ち分を発揮しているという点で、この2作は通じるところがあるように思いました。

ファッティとキートンののおかしな肉屋0.jpgファッティとキートンののおかしな肉屋000.jpg「ファッティとキートンのおかしな肉屋(デブ君の女装)」●原題:THE BUTCHER BOY●制作年:1917年●制作国:アメリカ●監督:ロスコー・アーバックル●製作:ジョセフ・M・シェンク●脚本:ロスコー・アーバックル/ジョセフ・アンソニー・ローチ●撮影:フランク・D・ウィリアムズ●時間:30分●出演:ロスコー・アーバックル/バスター・キートン/アル・セント・ジョン/アリス・レイク/ルーク(犬)●米国公開:1917/04(評価:★★★☆)

「デブ君の給仕」●原題: THE BELL BOY●制作年:1918年●制作国:アメリカ●監督・脚本:ロスコー・アーバックル●撮影:エルジン・レスリー●時間:33分●出演:ロスコー・アーバックル/バスター・キートン/アル・セント・ジョン/アリス・レイク●米国公開:1918/03(評価:★★★☆)

BUSTER KEATON: SHORTS COLLECTION 1917-23 (5 DISCS)」(言語:英語)
BUSTER KEATON SHORTS COLLECTION 1917-23.jpgDisc1
ファッティとキートンのおかしな肉屋(デブ君の女装)(The Butcher Boy , 1917)
デブ君の入婿 (The Rough House, 共同監督, 1917)
デブ君の結婚 (His Wedding Night, 1917)
デブ君の医者 (Oh Doctor, 1917)
ファッティとキートンのコニー・アイランド(デブ君の浜遊び) (Coney Island, 1917)
ファッティとキートンのアウト・ウェスト(デブ君の出稼ぎ) (Out West, 1918)
Disc2
デブ君の給仕 (The Bell Boy, 1918)
デブ君の巌窟王 (Moonshine, 1918)
ファッティとキートンのグッドナイト・ナース(デブ君の入院) (Good Night, Nurse!, 1918)
デブのコック (The Cook, 1918)
デブの舞台裏(ファッティとキートンの初舞台) (Back Stage, 1919)
飼葉の種 (The Hayseed, 1919)
デブの自動車屋 (The Garage, 1919)
Disc3
キートンのハイ・サイン (The High Sign, 共同監督, 1921)
文化生活一週間(キートンのマイホーム) (One Week, 共同監督, 1920)
キートンの囚人13号(ゴルフ狂の夢) (Convict 13, 1920)
キートンの案山子(スケアクロウ) (The Scarecrow, 共同監督, 1920)
キートンの隣同士 (Neighbors, 共同監督, 1920)
キートンの化物屋敷 (The Haunted House, 共同監督, 1921)
キートンのハード・ラック(悪運) (Hard Luck, 共同監督, 1921)
Disc4
キートンの強盗騒動(悪太郎) (The Goat, 1921)
キートンの即席百人芸(キートンの一人百役) (The Playhouse, 共同監督, 1921)
キートンの船出(漂流) (The Boat,兼脚本, 共同監督, 1921)[18]
キートンの白人酋長(キートンの酋長、キートンのハッタリ酋長) (The Paleface, 共同監督, 1922)
キートンの警官騒動 (Cops, 1922)
キートン半殺し(キートンの猛妻一族、キートンの飴ン棒、キートンの華麗なる一族) (My Wife's Relations, 1922)
Disc5
キートンの鍛冶屋 (The Blacksmith, 1922)
キートンの北極無宿 (The Frozen North, 共同監督, 1922)
成功成功(キートンの白日夢) (Day Dreams, 共同監督, 1922)
キートンの電気屋敷(電気館) (The Electric House, 共同監督, 1922)
キートンの空中結婚(キートンの昇天) (The Balloonatic, 1923)
捨小舟 (The Love Nest, 共同監督, 1923)
ファッティとキートンのおかしな肉屋(デブ君の女装)(The Butcher Boy , 1917)
デブ君の入婿 (The Rough House, 共同監督, 1917)
デブ君の結婚 (His Wedding Night, 1917)
デブ君の医者 (Oh Doctor, 1917)
ファッティとキートンのコニー・アイランド(デブ君の浜遊び) (Coney Island, 1917)
ファッティとキートンのアウト・ウェスト(デブ君の出稼ぎ) (Out West, 1918)

Disc2
デブ君の給仕 (The Bell Boy, 1918)
デブ君の巌窟王 (Moonshine, 1918)
ファッティとキートンのグッドナイト・ナース(デブ君の入院) (Good Night, Nurse!, 1918)
デブのコック (The Cook, 1918)
デブの舞台裏(ファッティとキートンの初舞台) (Back Stage, 1919)
飼葉の種 (The Hayseed, 1919)
デブの自動車屋 (The Garage, 1919)

Disc3
キートンのハイ・サイン (The High Sign, 共同監督, 1921)
文化生活一週間(キートンのマイホーム) (One Week, 共同監督, 1920)
キートンの囚人13号(ゴルフ狂の夢) (Convict 13, 1920)
キートンの案山子(スケアクロウ) (The Scarecrow, 共同監督, 1920)
キートンの隣同士 (Neighbors, 共同監督, 1920)
キートンの化物屋敷 (The Haunted House, 共同監督, 1921)
キートンのハード・ラック(悪運) (Hard Luck, 共同監督, 1921)

Disc4
キートンの強盗騒動(悪太郎) (The Goat, 1921)
キートンの即席百人芸(キートンの一人百役) (The Playhouse, 共同監督, 1921)
キートンの船出(漂流) (The Boat,兼脚本, 共同監督, 1921)[18]
キートンの白人酋長(キートンの酋長、キートンのハッタリ酋長) (The Paleface, 共同監督, 1922)
キートンの警官騒動 (Cops, 1922)
キートン半殺し(キートンの猛妻一族、キートンの飴ン棒、キートンの華麗なる一族) (My Wife's Relations, 1922)

Disc5
キートンの鍛冶屋 (The Blacksmith, 1922)
キートンの北極無宿 (The Frozen North, 共同監督, 1922)
成功成功(キートンの白日夢) (Day Dreams, 共同監督, 1922)
キートンの電気屋敷(電気館) (The Electric House, 共同監督, 1922)
キートンの空中結婚(キートンの昇天) (The Balloonatic, 1923)
捨小舟 (The Love Nest, 共同監督, 1923)

 

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